労働者供給事業などから派遣されるスタッフの給与計算は、日給制がメインであったり、日払い・月払いが混在していたり、日によって単価が変わったりと、一般的な正社員の計算に比べて複雑になりがちです。
「最終的な年末調整を一元管理するためにfreee人事労務を導入したけれど、日給や日払いの設定がうまく落とし込めない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、日給・日払い・変動単価が混在するスタッフの給与計算を、freee人事労務の仕様に合わせ、破綻なくシンプルに運用するための具体的な設定ステップを解説します。
目次
労働者供給事業スタッフの給与計算について
この記事では、労働者供給事業(特定の労働者を契約に基づいて他の事業主に供給する事業)における給与計算の課題を解決するため、「freee人事労務」を活用した具体的な運用方法を説明します。日払いや日ごとの単価変動といった特殊な給与体系を、システムの仕様に合わせて賢く処理する機能と運用のアイデアをご紹介します。
具体的な手順
1.【基本設定】正社員と混ぜないために「勤務・賃金設定」を分ける
freee人事労務で特殊な給与計算を行う際の鉄則は、一般の正社員と設定を完全に切り分けることです。
設定のポイント
「勤務・賃金設定」を新規作成する:「供給事業スタッフ用(日給)」など、専用の設定を一つ作成し、対象スタッフを一括で紐づけます。
導入の狙い
正社員用の自動計算ルールが干渉するのを防ぐとともに、一番の目的である「最終的な年末調整をfreeeで一元管理しやすくする」ための土台を作ります。
2.【日払い編】システム仕様(端数ズレ)を回避するための明細インポート
スタッフの中には、月払いではなく「日払い」で都度決済しているケースもあります。実は、freee人事労務は「日払い」のリアルタイムな給与計算・明細発行にはシステムとして対応していません。 そのため、日ごとにfreeeで計算を回そうとすると、社会保険料や源泉所得税の計算において、日ごとの累計と月額の計算との間で「端数のズレ」が発生してしまいます。
確実な運用のコツ
確定データを最後に一括インポートする:日払い分の支給実績および正確な控除額は、まず現場や外部のエクセル等で「月額(確定データ)」として固めます。その固まったデータを、freeeの「給与明細のインポート(CSV)」機能を使って一括で取り込みます。


メリット
freeeのシステム仕様による端数ズレのトラブルを完全に回避しつつ、freee上に正しい「支給・控除の実績」を残せるため、年末調整や源泉徴収票の出力へとスムーズにデータを引き継ぐことができます。
3.【月払い編】車種で日給が変わる場合の「オール手当」運用
もう一つの課題が、「乗る車の車種や現場によって、日給の単価が日ごとに変動する月払いスタッフ」のケースです。freeeの標準機能にある「基本給(日給)」設定では、この日ごとの単価変動に自動対応できません。
そこで、実務上最も確実でエラーが起きないのが、基本給を0円にしてすべて「手当」で処理する運用です。
具体的な設定手順
従業員情報の基本給を「0円」にする
対象スタッフの従業員詳細画面を開き、基本給の金額を「0」に設定します。

必要な項目をすべて「手当」として新規作成する
[支給項目設定]から、本来は基本給や残業代となる項目を、以下のように独自の「手当」として登録します。
例:「基本給1」「時間外手当」など

エクセルで計算した金額を「手当」に入力する
「どの車種に何日乗ったか」などの複雑な変動計算は、使い慣れた外部のエクセル等で算出し、確定した合計金額をfreeeの各手当の欄に入力(または一括インポート)します。

この運用のメリット・根拠
- この運用の最大のメリットは、「総支給額」さえ手当として確定させて入力すれば、所得税や住民税、社会保険料といった「控除金額」の計算はfreeeが法律に準拠して自動で正確に計算してくれる点にあります。
- 変動する支給額のロジックはエクセルに任せ、面倒な税金・保険料の計算と年末調整だけをfreeeに任せるという、非常に合理的な運用の掛け合わせです。

4.年末調整の処理をスムーズに行うために
労働者供給事業における給与計算をfreee人事労務で成功させるポイントは、「freeeが対応していない領域(日払い計算や日ごとの単価変動)は外部で固め、結果だけをfreeeに入れ込む」という明確な割り切りです。
- 勤務・賃金設定を分けて正社員と分けておく
- 日払いスタッフは端数ズレを防ぐために確定データを明細インポートする
- 変動日給は基本給を0にし、すべて手当化してエクセル計算と組み合わせる
この運用の工夫によって、毎月の給与計算の不整合は一掃され、年末調整の時期に「データがバラバラでパニックになる」という事態を完全に回避できます。特殊な給与形態でお悩みの方は、ぜひこの運用パターンを参考にしてみてください。
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