特定の時間帯や曜日に時給をアップさせる運用ガイド

はじめに

飲食業や小売業など、特定の時間帯(ランチタイムなど)や特定の曜日(繁忙日)に時給を上乗せして支給したいケースは多いかと思います。しかし、手計算でこれらの集計を行うとミスが発生しやすく、管理者の大きな負担となります。

本記事では、freee人事労務を活用して、特定の時間帯や曜日に応じた時給アップを自動化、または正確に管理する方法を解説します。これまで「複雑な給与計算はエクセルでやるしかない」と諦めていた担当者の方にとって、業務効率を劇的に改善するヒントになるはずです。

時間帯別時給設定の機能について

今回ご紹介するのは、freee人事労務の「時給の時間帯」設定および「勤怠タグ」を活用した運用方法です。

通常、給与計算では法定休日や時間外労働(残業)の割増賃金が注目されがちですが、freeeでは「特定の時間帯(例:12:00〜14:00)だけ時給を100円アップする」といった独自のルールもシステム上で管理できます。

具体的な手順

1. 基本的な時間帯別時給の設定(例:平日のランチタイム)

特定の時間帯に対して一律で時給をアップさせる場合の基本設定です。

a) 時間帯の登録

  1. 「設定」メニューから「時給の時間帯」を選択します。
  2. 「追加」ボタンから登録画面を開き、新規作成を行います。
  3. 任意の名称(例:「ランチタイム」など)を付け、適用する「曜日」と「時間帯」を指定して保存します。

b) 従業員ごとの時給額設定

  1. 「従業員」メニューから該当する従業員を選択し、詳細画面を開きます。
  2. 「基本給と割増賃金」の項目にある「編集」をクリックします。

c) 勤怠の登録と自動集計

この設定により、従業員が該当の時間帯に勤務すると、システムが自動的に時間を判別し、専用の集計項目に勤務時間がカウントされます。 (例:9:00〜16:00勤務でランチタイム設定が12:00〜14:00の場合、2時間分が特定の時給で計算されます)

【注意点】
この「時給の時間帯」機能で集計されるのは、原則として「所定内労働(契約上の勤務時間内)」の範囲です。法定内残業や時間外労働(残業)が発生した場合、その時間は「時間外労働」としての計算が優先され、時間帯別の時給アップ分が反映されない場合があります。

2. 残業時間も含めて時給アップさせる応用手順(例:繁忙曜日の対応)

「水曜日は一日中忙しいので、残業分も含めて全時間に時給100円プラスしたい」という場合は、以下の「勤怠タグ」と「手当」を組み合わせた運用が有効です。

a) 勤怠タグの作成

  1. 「設定」>「勤怠タグ」から「追加」をクリックします。
  2. 種別を「時間帯タグ」を選択し、「水曜日時給UP残業分」などの名称で作成します。
  3. 支給対象となる項目(時間外労働など)にチェックを入れます。

b) 勤怠タグを用いた手当の設定

  1. 「設定」>「その他手当」から「追加」をクリックします。
  2. 手当名を「水曜日時給UP残業分」とし、以下のルールを設定します。
    • 支給額:「勤怠タグに応じて支給」を選択
    • 支給ルール:「(作成した勤怠タグ名)の時間外労働時間」ごとに「〇〇円」を支給と設定
  1. この手当を対象の従業員に付与しておきます。

c) 勤務パターンとシフトへの組み込み

  1. 「設定」>「勤務パターン」で「繁忙日(水)」を新規作成し、手順(a)で作った「勤怠タグ」を紐付けます。
  1. 「勤怠」>「シフト表」から、該当する日のシフトにこの勤務パターンを割り当てます。

d) 記録と集計の確認

従業員が打刻を行い、勤怠を締めると以下のように集計・計算されます。

  • 例えば、4日(水)に「所定労働時間 8時間」+「残業 3時間」の働き方をした場合、勤怠集計画面では以下のように分類されて表示されます。
    • 所定労働時間:8時間
    • 時間外労働時間:3時間
    • 水曜日時給UP残業分(勤怠タグ):3時間

これにより、残業時間に対しても「割増賃金 + 時給UP分」の両方を漏れなく支給することが可能になります。

3.集計結果のイメージ

設定が正しく行われると、例えば水曜日に8時間の所定労働と3時間の残業をした場合、給与明細には以下のように反映されます。

  • 基本給(所定内):8時間分。手順1のテーブル設定により、時給UP後の金額(例:通常1,000円+100円=1,100円)で計算されます。
  • 時間外労働手当:3時間分。通常時給(例:1,000円)の1.25倍(125%)で計算されます。
  • 水曜日時給UP残業分(手当):残業した3時間分に対して、1時間100円アップ分の手当(300円)が付与されます。

これにより、残業時でも「時給アップ分が漏れる」という事態を防ぎ、正確な支給が可能になります。

【注意点】
「時給の時間帯」として自動計算の対象となるのは、「所定労働時間」に集計された時間のみとなります。「法定内残業」や「時間外労働」として集計された分については、この設定による時給アップは適用されません。

そのため、残業時間に対しても時給アップ分を反映させたい場合は、「その他手当」を用いた差額調整が推奨されます。

(例)時給が100円アップする場合(通常時給1,000円 → アップ後1,100円)

割増賃金の基礎となる金額もアップ後の単価(1,100円)として扱いたい場合は、割増後の差額分(1,375円 - 1,250円 = 125円)に対して「125円 × 割増分の時間」を計算する「その他手当」を別途設定し、支給を行うなどの工夫が必要です。

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この記事を書いた人

株式会社 YOU & YOU

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