freee会計への移行をスムーズに!マスタデータ移行の重要性と整理のポイント

新しい会計ソフトの導入を検討する際、「今までのデータをどうやって移せばいいのだろう?」「設定が複雑で、業務が止まってしまうのではないか」といった不安はつきものです。特に、これまでの会計ソフトに蓄積された取引先や勘定科目といった「マスタデータ」の移行は、今後の経理業務の正確性と効率性を左右する、最も重要な初期設定と言えます。

この最初のステップを丁寧に行うことで、freee会計の持つ便利な機能を最大限に活用し、スムーズな運用をスタートさせることが可能です。本記事では、freee会計への乗り換えを検討されている方向けに、この「マスタ移行」の具体的な手順と、失敗しないための注意点をわかりやすく解説します。

マスタデータ移行の必要性について

そもそも、なぜマスタデータを事前に整備し、移行する必要があるのでしょうか。それは、使用する会計ソフトが異なると、データの管理ルールや名称も異なるためです。

例えば、これまでお使いの会計ソフト(以下、元ソフト)で使用していた勘定科目名が、freee会計の標準の勘定科目名と異なる場合があります。また、元ソフトでは「補助科目」として管理していた情報を、freee会計では「タグ」という機能を使って管理します。

こうした違いを吸収するため、移行作業の前に「元ソフトのこの名称は、freee会計ではこの名称(またはタグ)に対応させる」という、いわば「翻訳ルール」をあらかじめ決めておく必要があります。このルール作りを丁寧に行うことで、仕訳データを取り込んだ際に情報が正しく整理され、移行後の会計業務をスムーズに開始することができます。

マスタ移行の具体的な進め方

マスタ移行は、以下の流れで進めるのが一般的です。

  1. 既存データの出力 現在お使いの会計ソフトから、勘定科目、補助科目、部門、取引先など、移行したいマスタデータを全てCSVファイルなどの形式で出力(エクスポート)します。
  2. freee会計用テンプレートの準備 freee会計側からも、インポート用のテンプレートファイルをダウンロードします。両方のファイルを見比べ、どの項目をどこに移行させるかを確認します。
  3. データの整理と加工作業 手順1で出力したデータに、表記のゆれや古い情報が残っている場合は、この機会に整理・統一します。その後、freee会計のテンプレートに合わせてデータを加工していきます。
    • 前述の通り、freee会計には「補助科目」の概念がないため、元の補助科目は「取引先タグ」や「品目タグ」としてインポートできるようにデータを整えます。「タグ」の概念については、以下のヘルプページが参考になります。
  4. freee会計へのインポート 整理・加工したデータを、freee会計にインポート(登録)します。

マスタ移行で失敗しないための4つのポイント

マスタデータの移行・整備を成功させるために、特に注意していただきたい4つのポイントをご紹介します。

ポイント1:freee会計の標準名称を優先的に使用する

マスタを整理する際は、可能な限りfreee会計に標準で用意されている勘定科目などの名称を使用することをお勧めします。

  • 入力ミスの防止
    既存の名称と似たような名前の勘定科目を新たに追加で登録すると、仕訳を登録する際にどちらを選ぶべきか迷いが生じ、入力ミスを誘発しやすくなります。
  • 決算書カテゴリとの整合性
    freee会計では、各勘定科目が決算書のどの項目に集計されるかという「カテゴリー」があらかじめ設定されています。元ソフトと同じ名称の勘定科目を、freee会計の標準とは異なるカテゴリーで新規設定することも可能ですが、意図しない集計結果を招く可能性があるため、注意が必要です。特別な理由がない限りは、標準の体系に合わせるのが賢明です。

ポイント2:既存のマスタデータを整理・統一する

長年使用してきた会計ソフトのマスタデータには、知らず知らずのうちに表記の揺れや古い情報が蓄積されていることがあります。

特に補助科目(取引先名など)でよく見られるのが、以下のようなケースです。

  • 同じ取引先なのに、「(株)〇〇」「株式会社〇〇」「〇〇」など複数の名称が登録されている。
  • 半角カタカナと全角カタカナの登録が混在している。
  • 会社の合併や社名変更により、旧社名と新社名のデータが混在している。

これらの表記揺れを放置したまま移行すると、freee会計のタグ機能などで集計した際に、同一の取引先であるにもかかわらず情報が分散してしまい、正確な取引残高を把握することができません。データ移行は、こうしたマスタデータを整理・名寄せする絶好の機会です。 このひと手間が、移行後の業務効率を大きく向上させます。

ポイント3:年度情報などはタグや備考欄を活用する

勘定科目名に年度情報を含めて管理しているケース(例:「2024年度消耗品費」「2025年度消耗品費」など)が見受けられます。この方法では、年度が変わるたびに新しい勘定科目を作成する必要があり、管理が煩雑になるだけでなく、科目数が増えすぎてしまいます。

freee会計では、こうした年度ごとの管理をよりスマートに行うことができます。基本的には勘定科目名を「消耗品費」と一つに統一し、「2024年度」といった年度情報は「品目タグ」や「備考欄」などを活用して記録することをお勧めします。 これにより、勘定科目体系をシンプルに保ちながら、必要な分析を行うことが可能になります。

ポイント4:年度ごとの勘定科目名の変更に注意する

稀なケースですが、経理担当者の交代などをきっかけに、年度が変わった際に勘定科目の名称が変更されていることがあります。複数年度分のデータをまとめて移行する際には、こうした変更がないか事前に確認することが重要です。

もし年度間で名称が異なっている場合は、どちらかの名称に統一するルールを決め、データを修正してから移行作業を行う必要があります。これを怠ると、過去のデータとの連続性が失われ、正確な比較分析が困難になるためご注意ください。

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この記事を書いた人

株式会社 YOU & YOU

freeeの導入支援や販売代理店の株式会社YOU&YOU。
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