データ移行に使用するCSVデータの作成方法や、注意点について解説します。
目次
CSVデータを使ったデータ移行とは
freee会計は弥生会計からのデータ移行の場合はCSVデータで出力したものをそのまま移行できますが、その他のソフトから移行する場合はそのままでは移行できないことがあります。
ですので元ソフトからCSVデータで出力したものを、freee会計にインポートできるデータ形式にしていく必要があります。
1. マスタ作成
CSVデータを作成する前にマスタを作成します。
データをインポートする際にfreeeに未登録の項目があればその時に登録することもできますが、事前に整理して登録しておくことをお勧めします。
2. マスタ作成手順の説明
a. 口座
使用している銀行口座、クレジットカード等を登録します。
口座連携をしなくても口座だけ先に作成しておくと移行がスムーズになります。
口座>口座の一覧>銀行口座を登録>連携せずに口座を登録

b. 勘定科目
freeeのデフォルト勘定科目以外に使用している勘定科目がある場合、追加登録していきます。
あまり数がない場合は
設定>勘定科目の設定>新規作成
から追加できますが、ある程度数がある場合はひとつづつ登録すると時間がかかるので、勘定科目のCSVデータを作成してインポートする方が手間がかかりません。
インポートする場合はインポート>CSVインポート
からインポートできます。

freee会計では勘定科目名とカテゴリーがセットで設定されているので、デフォルトと同じ科目を違うカテゴリーで登録したい際は少し対応が必要になります。

勘定科目の設定>決算書表示名編集
登録したいカテゴリーの「+追加する」を選択し、勘定科目名を入力しますが、デフォルトと同じでは登録できないので、科目名の後に1やスペースを入れて登録してください。
そうしておくとデフォルト科目を違うカテゴリーで登録できるようになります。
設定をした後、仕訳を登録する際に間違えないようにだけ注意してください。
c. 補助科目
多くのソフトでは補助科目が使用されているかと思いますが、freee会計では補助科目ではなくタグという機能があります。
大まかにいうと補助科目を口座・取引先・品目に分けると思っていただければ大丈夫です。
元ソフトで取引先や得意先などの項目がある場合は元ソフトの補助科目を品目に登録します。
3. インポートデータの必須項目
元ソフトから出力したCSVデータをインポートできるデータにする際には、以下の項目が必ず必要になります。
a. 必ず必要な項目
i. 金額・税額・摘要などの列が、借方・貸方それぞれにある場合
- 発生日
- 伝票番号
- 借方勘定科目
- 貸方勘定科目
- 借方金額
- 貸方金額
- 借方税額
- 貸方税額
ii. 金額・税額・摘要などの列が、借貸で1つの列にまとまっている場合
- 発生日
- 伝票番号
- 借方勘定科目
- 貸方勘定科目
- 貸借金額
- 貸借税額
これらの項目は元ソフトやfreee会計の設定に関係なく必須項目になります。
インポート時にこの項目の設定がないとインポートできないため必ず設定してください。
b. 貸方金額、借方金額、貸借金額で入力する金額について
インポートする際の設定によって入力する金額が異なります。
- 「全ての金額が内税(税込)」としている場合は「税込金額」
- 「全ての金額が外税(税抜)」としている場合は「税抜金額」
- 「内税/外税を考慮する」としている場合は、「外税」「内税」にかかわらず「税込金額」
- 取引先コードを使用するに設定している場合は取引先コードも必要になります。
- 税抜経理に設定している場合は貸借税額(借方税額・貸方税額)の項目が必須になります。 必須項目は以上ですが、他にも元ソフトで使用していた補助科目や部門等がある場合はそれらも必要になってきます。
4. データ項目の定義と整理
インポートデータに必要な項目を以下にまとめます。
日付 | 必須 | 発生日(取引日)を日付形式(YYYY/MM/DD)で入力します。 | 入力形式:この形式以外でも入るものはありますが、この形式に変換しておくと確実です。 | |
伝票番号 | 20文字以内(半角数字) | 必須 | 管理用の番号を入力します。 | 複数管理番号がある場合1行だけ採用してください。 |
決算整理仕訳 | 決算整理仕訳を入力する場合は「 1 」を入力します。 | |||
借方勘定科目 | 30文字以内 | 必須 | 「勘定科目」の名称を入力します。 | 現金や口座の仕訳の場合、勘定科目としてfreeeに登録してある口座名を入力してください。 |
借方科目コード | 20文字以内 | 勘定科目 の「ショートカット2(勘定科目コード)」の名称を入力します。 | 科目コードを使用する場合は必須項目になります。 | |
借方取引先 | 255文字以内 | 取引先タグ の「取引先名」欄の名称を入力します。 | ||
借方取引先コード | 255文字以内 | 取引先タグ の「取引先コード」欄のコードを入力します。 | ||
借方部門 | 30文字以内 | 部門タグ の「部門名」欄の名称を入力します。 | ||
借方品目 | 30文字以内 | 品目タグ の「品目名」欄の名称を入力します。 | ||
借方メモタグ | 30文字以内 | メモタグ の「メモタグ名」欄の名称を入力します。 | ||
借方金額 | 必須 | 借方金額を入力します。 | ||
借方税区分 | 税区分 で「使用」にチェックがついている「税区分」の名称を入力します。 | 税率の指定について: 税率は対象の税区分名の末尾に税率を付加することで、指定することができます。 5%:指定なし8%:「8%」軽減税率8%:「8%(軽)」10%:「10%」 | ||
借方税額 | 12桁以内 | 借方税額を入力します。 | ||
貸方勘定科目 | 30文字以内 | 必須 | 勘定科目 の「勘定科目」欄の名称を入力します。 | 現金や口座の仕訳の場合、勘定科目としてfreeeに登録してある口座名を入力してください。 |
貸方科目コード | 20文字以内 | 勘定科目 の「ショートカット2(勘定科目コード)」欄の名称を入力します。 | ||
貸方取引先 | 255文字以内 | 取引先タグ の「取引先名」欄の名称を入力します。 | ||
貸方取引先コード | 255文字以内 | 取引先タグ の「取引先コード」欄のコードを入力します。 | ||
貸方部門 | 30文字以内 | 部門タグ の「部門名」欄の名称を入力します。 | ||
貸方品目 | 30文字以内 | 品目タグ の「品目名」欄の名称を入力します。 | ||
貸方メモタグ | 30文字以内 | メモタグ の「メモタグ名」欄の名称を入力します。 | ||
貸方金額 | 必須 | 借方金額を入力します。 | ||
借方税区分 | 税区分 で「使用」にチェックがついている「税区分」の名称を入力します。 | 税率の指定について: 税率は対象の税区分名の末尾に税率を付加することで、指定することができます。 5%:指定なし8%:「8%」軽減税率8%:「8%(軽)」10%:「10%」 | ||
借方税額 | 12桁以内 | 借方税額を入力します。 | ||
摘要 | 1,024文字以内 | 備考を入力します。 | 借方摘要と貸方摘要について:元ソフトによっては、貸借それぞれに摘要が登録できますが、freee会計の摘要(備考)は1仕訳につき1つです。そのため貸借共通の摘要(備考)を作成してインポートします。 |
5. CSVデータの確認とエラーチェック
作成したCSVデータをチェックし、移行前にエラーを発見します。
インポート前に確認できるよくあるミスを挙げます。
a. 空欄が空欄になっていない
エクセルやスプレッドシートで作成して、CSVデータに変換してインポートという流れになるかと思いますが、変換前に必ずデータの入っていないセルを全て選択して削除するようにしてください。表示では何も無いように見えてもデータが残っていたことが原因でデータが大きすぎてインポートできないことがよくあります。
b. 仕訳番号と日付の並び替え
並び替えをせずにそのままインポートしようとするとエラーになってしまう場合があります。変換前に並び替えの機能などを使ってデータを伝票番号で並び替え、次に日付で並び替えるようにしてください。
c. 行数が2万行を超えている
CSVデータのインポートでは一度に2万行以上のデータを入れられません。
上記の並び替えを行った後で2万行以内に収まるようにデータの分割を行ってください。
d. 口座名が勘定科目に入っていない
元ソフトで口座名が補助科目に入っている場合によくあるのですが、誤って勘定科目が元のままで口座名が取引先や品目に入っていることがあります。
勘定科目に口座名が入っているかフィルター機能などを活用して確認しておきましょう。
まとめ
データ移行用のCSVデータを作成する際には、しっかり必要なデータを準備して、抜け漏れのないデータを作成することが大事です。 マスタの登録やデータの作成は大変かもしれませんが、データ移行がしっかりできれば快適にfreeeをお使いいただけますので、ぜひ挑戦してみてください。